殺伐とした機内

いよいよ搭乗し、まずは上海へ。

自分以外に日本人は見当たらなかった。

飛行中は特にハプニングもなく平和に過ごしていた。

そして着陸の時。揺れがおさまって、さぁ降りようかとみんな立ち上がったその時。CAのお姉さんが何か叫んでいる。

大学で第2言語を中国語にしていた俺は座ってくださいと言っているのがなんとなく分かった。

なぜだろう。もう着いたんでしょ?という空気でざわつく機内。

そして次の瞬間奥からダースベーダーのような装備をした男二人が登場する。

さらにざわつく機内。そして俺の斜め右方向に座っていた男性が何か言われている。

第2言語で中国語をとっていたあの俺でも何を言っているかさっぱり分からない。

でも手には検査キッド的なものをもっているのでだいたいの予想はついた。

客の男性は口に棒を入れられ何やら検査されている。そしてその男性は個室へと連れられていくのであった。

しょっぱなからやばいやつ。そしてCAさんたちもおでこを検査されている。

一番無防備だったであろう俺は差し置いてみんなで検査しあっている。

今更ながらマスクを二重にするのであった。

 

つづく